ピラティスとは?ヨガとの違いや効果など解説
ジムやヨガスタジオでよくみられるピラティスクラス。
「ピラティスってヨガのようなもの?」
「ヨガよりハードなのがピラティス?」
など、素朴な疑問を感じている未経験者の方も多いのではないでしょうか。
ピラティスとヨガは
確かに似ているところも多いですが、実際には異なるもの。
今回はピラティスの起源やヨガとの違い、
どんな人に合っているのかまでを詳しく解説します!
目次
■ピラティスとは?その起源
ピラティスはもともと、
ケガなどで運動が難しくなった人のリハビリとして考案されたメソッドでした。
ドイツ人の従軍看護師であった
ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス氏が開発し、
負傷した兵士のリハビリトレーニングとして用いられていたのです。
ピラティス氏自身の様々なスポーツや
格闘技経験から生まれたピラティスは、
当時は「コントロロジー」と呼ばれNYから世界に広まりました。
この発端だけでも、ヨガとは違うのがなんとなくわかりますよね。
ヨガの起源はインド哲学に関連し、
精神的な鍛錬の面も大きかったと考えられています。
しかしピラティスは、より身体的な問題改善のために作られたのです。
リハビリの一環として生まれたピラティスですが、
その後はピラティス氏の弟子を通して
一般の方に広く受け入れられるように。
一般の方が姿勢を良くしたり体を引き締めたり、
またアスリートのコンディショニングとしても取り入れられています。
ピラティスは基本的に体の柔軟性を向上させたり、
体幹を強化させたりする効果が期待できるもの。
さらに現代では研究が進み、
その呼吸法や動きが脳神経系にも影響を与えるとわかってきているんです。
このためピラティスは体と心を同時に整えるメソッドとして、
瞑想効果などもあると考えられています。
■ピラティスの基本を知りたい!
ピラティスは体にも心にも良い効果が期待できるとわかりましたが、
具体的にどんな動きをするのかピンとこない方も多いかも。
ここではピラティスの基本的な特徴について説明しましょう。
◇やることは?どんなことをするの?
ピラティスでは
インナーマッスルを鍛えるような動きを中心に、
流れるようにエクササイズを行います。
ピラティスのスタイルによっても多少違いますが、
基本的には交感神経を刺激するような適度に活発なエクササイズ。
呼吸法も胸式呼吸で、
力を抜いてリラックスというよりは程よい刺激を与えていくような運動です。
ピラティスではインナーマッスルや柔軟性を高めることで、
姿勢を整えたり正しい体の使い方ができるよう整えていきます。
またピラティスのスタイルによっては、
マシンなどの器具を使うこともあります。
◇やる場所は?家でもできる?
ピラティスはヨガマット1枚の上で行える動きがほとんど。
マシンを使ってのセッション以外は、自宅でも行えるものばかりです。
ヨガと同じくポピュラーなので、
最近ではオンラインクラスもありますよ。
動画サイトなどでも、
ピラティスのレッスンビデオをたくさん見つけることができます。
ただピラティスは、正しく体を使えるよう整えることが1番の目的。
細かい体の動かし方やポジションは、
講師に直接見てもらったほうが効率的な部分も。
本格的に体を鍛えていきたいと考えている人は、
スタジオでクラスを受けてみるのもおすすめです。
◇服装は?専用ウェアじゃなきゃダメ?
ピラティス用のウェアは、
多くはヨガウェアと併用されることがほとんど。
この2つは動きが似ている部分も多いため、
同じように体にフィットしてストレッチ性の高いウェアが使われます。
ヨガもピラティスもそうなのですが、
絶対に専用ウェアでなくてはということはありません。
体を動かしやすければ基本的には何でも大丈夫。
たいていはスポーツウェアなどでも代用できます。
ただスポーツウェアなどで代用する場合、
・体にフィットするラインである
・ストレッチがきいていてよく伸びる
・サイズ感が合っている
・丈やソデがひらひらしていない
・吸汗や速乾性に優れている
というポイントを意識して選ぶのがおすすめ。
ピラティスでは寝たり立ったりと色々なポーズでエクササイズを行うため、
ひらひらと余裕のあるラインだと絡まって動きづらいのです。
また動きによっては若干汗ばむようなこともあるので、
通気性や吸汗・速乾に優れたものだとより快適でしょう。
◇必要なものは?何もなくてもできる?
ピラティスのウェアは家にあるスポーツウェアや、
スェットなどでも一応代用可能。
ただヨガマットだけは用意するのをおすすめします。
カーペットの上などでもできなくはないですが、
滑ったりして動きづらいので効率が下がってしまいます。
また正しく体を動かせないと負担がかかってしまい、故障の原因にも。
安価なものでも十分なので、
滑り止めとクッション性のあるヨガマットは用意しておきましょう。
ネットなどでもヨガマットは簡単に手に入りますし、
ピラティススタジオなどに通う場合は用意されていることがほとんどです。
自宅で行う場合は、このような厚みのあるヨガマットがあると便利ですよ。
適度にクッション性があるので、ヒザなどにかかる負担を軽減してくれます。
■ヨガとの違いはなに?効果は?
何かと比べられることの多いヨガとピラティス。
ヨガスタジオでピラティスクラスがあったりすることも多く、
その違いにピンとこない方も多いかも。
でも実際に受けてみると、ヨガとピラティスの違いはよくわかります。
またそれぞれの効果も、実は少し異なる面が。
その違いを詳しく見ていきましょう。
◇ピラティスに期待できる効果は?
基本的にピラティスに期待できる効果は、
・姿勢改善
・インナーマッスル強化
・柔軟性アップ
・腰痛や肩こり予防
・心身の活性化
といったもの。
ピラティスはもともとリハビリのメソッドでもあったことから、
腰痛など悩みのある方の筋力強化にも向いています。
柔軟性を上げ可動域を広げたり、
歪みを調整することによってコリや痛みの予防になることも。
また体幹をしっかり鍛えることによって姿勢もキレイになりますし、
立ち方や歩き方など動作も美しくなることが期待できますね。
ピラティスの呼吸法は、交感神経を刺激する胸式呼吸。
交感神経が優位になると、
意識が活性化されポジティブなスイッチが入りやすくなります。
普段座りっぱなしで、
アクティブさを身に付けたいという方にもピラティスはおすすめ。
ちなみにヨガの効果はというと、実は似ている部分もあります。
ヨガのアーサナでも、
柔軟性や体幹の強化が期待できるものはとても多いのです。
しかし本来ヨガの練習では、
身体的な強化だけでなく精神面がより重視されています。
ヨガのスタイルにもよりますが、
伝統的なヨガでは練習前にマントラを唱えたり呼吸法だけを練習したり、
瞑想することも。
またヨガのスタイルによっては腹式呼吸を使うものもあり、
この場合は副交感神経が優位になります。
腹式呼吸のゆったりしたヨガでは、
ピラティスのようなアクティブさではなくリラックス効果が期待できるんです。
特に「陰ヨガ」や「リストラティブヨガ」、
「ヨガニードラ」などはその代表ですね。
体を効率的に鍛えたい時はピラティス、
もっと精神面を追求したりリラックスしたい時はヨガ、
と使い分けてもいいかもしれません。
◇ヨガとピラティスの共通点は?
「ヨガとピラティスの効果の違いはわかったけど、じゃあ共通点って何?」
と思う方もいるでしょう。
まずヨガとピラティスは、
どちらも続けていくことで
柔軟性や筋力アップなど身体的な効果が期待できます。
この点はほぼ同じですが、
アプローチのしかたが少し違うということですね。
またヨガもピラティスも、どちらもマット1枚あればできるのも共通点。
ピラティスに関してはマシンを使うものもありますが、
基本的にはどちらも同じくらいのスペースがあれば可能です。
そして一般的に「ヨガウェア」と呼ばれているウェアも、
ピラティスでも共用できるもの。
この「ヨガウェア」と「ピラティスウェア」には
そもそも明確な区切りがなく、
どちらでもOKなものとして販売されていることがほとんどです。
またヨガもピラティスも、
誰にでも開かれたものであるということもポイント。
ピラティスはもともとリハビリ用だったくらいなので、
体の固い方や運動が初めての方、年配の方でもOK。
ヨガもゆったりしたスタイルのものがたくさんあり、
エクササイズ経験のない方や、
大人から子供まで幅広く実践できるものです。
◇ピラティスならではの効果はあるの?
ヨガは精神面を鍛える練習という意味合いもあり、
スタイルによっては決められた流れでポーズをとっていくようなものも。
対してピラティスはもともとリハビリだった側面から、
より身体的な悩みにフォーカスして行うことも可能です。
例えば
・姿勢を改善したい
・肩こりや腰痛を防ぎたい
・スポーツのパフォーマンスを上げたい
・体を絞りたい
など。
ピラティスは、個々の体に合わせて
必要なポイントを強化していくこともしやすいメソッドなのです。
これは特にピラティスのプライベートレッスンや、
マシンを使った個人セッションなどだとより感じられるでしょう。
グループレッスンでは一律同じ動きになりがちですが、
個人的に見てもらう場合はよりフィジカルな悩みに寄り添ってもらえます。
■結局ピラティスとヨガどっちがいいの?
結局ヨガとピラティスは、どちらがいいのか。
そんな疑問を抱く方もいるかもしれませんが、それは自分の目的次第。
それぞれにメリットがあるヨガとピラティスなので、
目的や体の状態に合わせて使い分けるのがおすすめです。
◇ピラティスがおすすめの人はこんな人
ピラティスは効率的に体を強化したり、
フィジカルな悩みを改善していけるメソッド。
具体的に改善したいポイントがはっきりしていたり、
全身の強化を目指したい方におすすめです。
疲れが溜まっていたり、
姿勢の悪さやコリが気になっている方にもいいでしょう。
もともとリハビリメソッドなので、
過去のケガなどが原因で動きづらい部分がある、
どう鍛えたらいいかわからない、という方にも適しています。
またピラティスはどちらかというと、
交感神経を刺激するエクササイズ法。
元気でアクティブな気分になりたい方にもぴったりですよ。
運動不足だったり、ストレスの多い方、
気分のムラがあるという方にもおすすめできます。
◇ヨガがおすすめの人はこんな人
ヨガも同じく体を柔軟にし強化してくれますが、
ヨガの練習ではより呼吸法や瞑想にフォーカスする面も。
体を動かしつつ精神性も高めたいという方、
瞑想を深めたいという方にもいいですね。
ピラティスも瞑想効果があると考えられていますが、
ピラティスの瞑想は一連の動きや胸式呼吸に集中するタイプの「動く瞑想」。
眠るように深くリラックスする瞑想というよりは、
頭がスッキリするような瞑想というところでしょうか。
対してヨガでは「眠るヨガ」とも呼ばれる
「ヨガニードラ」のようなスタイルもあり、
深くリラックスして心身を休めることもできるんです。
こういったゆったりしたヨガのスタイルは、
普段アクティブに体を動かしている方にもおすすめ。
ハードなスポーツをしている人の気分転換や、
気持ちのリセットとしてヨガを取り入れるのもいいですよ。
ヨガの最後に行われる「シャバアーサナ」(屍のポーズ)では、
ついウトウトしてしまいそうになることも。
深いリラックス状態を探求できるヨガは、眠りの浅い方などにもぴったりです。
◇ダイエット目的のひとはどっちがおすすめ?
ヨガもピラティスも、
基本的に続けていけば体は自然と締まってきます。
しかし短期間でダイエットをしていたり、
効率的にボディメイクをしたい方にはピラティスがおすすめ。
ピラティスはボディメイクや部分ごとの強化に適した動きも多くあり、
「見た目に確実な変化を出したい!」
という方にも向いています。
実はピラティスには
「10回で気分が良くなり、20回で見た目が変わり、30回で体の全てが変わる」
というキャッチフレーズのようなものがあるほど。
ヨガよりも体の変化にフォーカスしたメソッドなので、
ダイエットで見た目に変化をつけたいと感じている人にはぴったりなのです。
◇怪我をしている場合はどっちがおすすめ?
目的やスタイルにもよりますが、
これも基本的にはピラティスがおすすめ。
ピラティスはもともとリハビリとして、
ケガをした兵士のトレーニングに使われていたようなメソッドです。
ケガのせいで動きづらい部分や、
筋力の弱った部分などにフォーカスして鍛えることに適しています。
ただケガなどの問題がある場合は、
プロのインストラクターに個人的に指導してもらうのが安心。
グループレッスンでは万人向けのプログラムになるので、
ケガのリハビリ的な動きはできない可能性もあります。
特に痛みなど症状がある場合は、自己判断で動かすのは危険なことも。
プロのインストラクターに相談し指示に従いましょう。
またあまり体を動かさない
ヨガニードラ(寝て行うもの)のようなスタイルなら、ヨガもおすすめ。
こちらはケガをしてしまった時の
メンタルケアとして取り入れてみてもいいですね。
まとめ
ヨガと似ている部分や共通点もあるけど、
より身体的な悩みにフォーカスできるピラティス。
ダイエットや姿勢改善など、
目標に短期間で近づけるメソッドとしてもおすすめです。
ただピラティスも現在では幅広いスタイルや流派があり、
スタジオやインストラクターによっても内容は様々。
受ける前にどんな内容かチェックしたり、
ケガなどの問題がある方は必ずインストラクターに相談してから行いましょう。
自分に合ったピラティスクラスを見つけて、
体の変化を頼んでみてくださいね!