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産婦人科専門医が解説!セックスレスの解消法とパートナーとの正しいコミュニケーションの取り方!

多くのカップルが抱えるセックスレスの悩み。セックスレスを解消するパートナーとの正しいコミュニケーションの取り方について産婦人科専門医で医学博士、東邦大学医療センター大橋病院・産婦人科在籍の高橋怜奈医師にインタービューでお話を伺いました

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■セックスレスの原因とは

色々な原因はありますが、お互いに性欲がなくなってしまう等の性欲の問題、性交痛、勃起不全などの身体的問題、精神面や身体面から来ることがあります。
精神面と身体面ではっきり分かれているわけではなく、身体面で性交痛があると性欲がなくなってしまうなど重なっているところもあります。

■セックスレスを解消するには?

身体面であれば女性は産婦人科、男性は泌尿器科を受診すること。まずは性交痛や性機能の異常の原因検索をし、それらに対して治療をしていきます。
長年連れ添った夫婦だとどうしても性欲が出なくなってしまうことは生物学的な本能としてある程度仕方ない部分もありますが
マンネリ解消として、いつもと違う非日常的な刺激を入れてみるのもいいです。いつも同じことをしないこともセックスレス解消に役立ちます。

■パートナーのセックスが下手でしたくない場合には?

相手のセックスが合わない場合には相手に伝えましょう。歩み寄りが必要です。自分が相手を下手だと思っている場合は、相手も自分を下手と思っていることもあります。
相手の手を取り、触ってもらうなどして感覚で伝えてみましょう。
ある程度聞き出さないとお互いに気持ちのいいセックスは出来ないのでコミュニケーションをとることが大切です。
痛かったり、激しくて苦痛な場合には、はっきりと嫌だということを伝えましょう。
男性向けのAVではなく、女性用のAVを一緒に見たり、最近はYouTubeでもセクシー男優さんや女優さんが、『男性向けのAVはファンタジーである』事を伝えている動画などもあるので、参考にするのもアリです。

■濡れないのでジェルを使ってみたが、それでも乾いてしまってうまくいかない場合は?

ジェルの量が少ないことはないですか?または性器の外側だけ塗っていませんか?外側だけに塗ると挿入中に乾いてしまうので膣内に注入するタイプのものを使うと乾きにくいです。
女性の膣内に入れるポーションタイプのジェルがあるので乾きやすい人にはおすすめです。
また男性器の先端に塗るだけではなく、全体的に塗ると挿入後も乾きにくいです。
前戯が少なかったり、過去に痛い思いをしたことでの性に対する恐怖感や緊張感がある人も濡れづらくなる事があります。ピルの内服でも濡れづらくなる人もいます。
また体質的に濡れやすい人、濡れづらい人がいます。女性ばかりが悩んでしまいがちですがジェルなどをうまく使ったり、リラックスすることで改善できることも多いです。
脱水状態だと濡れづらいので水分補給も有効です。
閉経している人、閉経が近い人は女性ホルモンの減少により濡れづらかったり性交痛がある場合も多いので、産婦人科でホルモン補充療法をすることによって性交痛の改善が見込めます。

■パートナーが消極的な場合は?

まずは自分がリードをする。性格的に消極的な人に積極的になれというのはなかなか難しいので、相手にリードしてもらいたい場合は『リードしてくれたら嬉しいな』など自分の意見を伝えましょう。何事も相手に期待しすぎず、コミュニケーションをとりながらお互いに歩み寄ることが大切です。

■長年セックスレスの場合は?

同じ環境でセックスレスを解消しようとしてもなかなか難しいので、旅行に行くなど環境を変えたり、『面白いグッズあるよー』などラブグッズを提案しながら誘ったり、時にはお酒の力を借りるのもいいと思います。

パートナーに性欲があるが自分はしたくない場合

相手に性欲がないのに無理やり性的な行為を強要するのは、たとえ夫婦間であっても性暴力、DVです。夫婦間でもお互いに性的同意をとらないといけません。そして相手に性欲があったとしても、自分がその気ではない場合、無理に受け入れる必要はなく、断る権利があります。
同意のない性行為は性暴力だと認識する必要があります。
また性的同意というのは性行為だけの同意ではなく、『避妊をどうするか』の同意も含まれます。夫婦であっても妊娠を望んでいるのか、避妊をしたいのかをよく話し合っておきましょう。一方が避妊をしたいのに、相手が避妊をしないで性行為を行うことも性暴力です。
性器を挿入する同意だけではなく、避妊に関しても、挿入以外の性的な接触に関しても同意は必要です。
どうしても自分の性欲を解消したいとき、マスターベーションをうまくできるといいと思います。今は男女共にいろいろなセルフプレジャーグッズが簡単に手に入りますので、利用してみてください。最近は臨場感のあるVRなどもありますね。
これは最終手段ですが、お互いの同意を得ていればパートナー以外にセックスだけの人間関係を作るのもありだとは思います。ただし社会的に問題になる事が多く、感染症や望まない妊娠の危険性もあるので、リスクをしっかりと分かっている必要があります。
少なくとも自分の性欲のために誰かを傷つけることは絶対に避けなくてはいけません。
セックスレスの解消に関しては、パートナーの事が好きで自分もセックスがしたいから、セックスレスを解消したいという場合もあります。しかしながら、自分はセックスしたくないけど相手が求めてくるから、どうにかしたい、という悩みに関しては『自分はなぜセックスレスを解消したいのか』をきちんと考える必要があると思います。
大事なことなので何度も言いますが、自分がセックスしたくないのであれば断る権利はあなたにあります。自分がセックスをしたくないのであれば、無理にセックスレスを解消する必要はありません。
なにより、セックスレス自体は悪いことではありません。まずは悪いと思い込まないこと。お互いがそのままでいいと思っていれば問題ないのです。
ただし、妊活したいけれどもセックスレスの場合はよく話し合いましょう。
いろいろな理由でセックスをしない、できない夫婦もいますが、セックスをしなくても、現代は人工授精などの不妊治療があるので挿入する事にこだわらなくても大丈夫です。
セックスも手をつなぐことと同じコミュニケーションなので、特別なことと構えて考えないことが大切です。

■より良いセックスライフを送るために

まずはコミュニケーションが大切です。してほしいこと、やめてほしいことがあれば自分一人で考え込まずに相手に伝えてみましょう。わかってくれるはず、そのうち気づいてくれるはず、というのは禁物です。言葉で伝えなければわかりません。
そしてお互いに性的同意をとること。こういうセックスをしたい、したくない、避妊をする、しないなど、同意をとった上で行いましょう。

■高橋怜奈先生について

産婦人科専門医、医学博士。
東邦大学医療センター大橋病院・産婦人科在籍。2016年6月にボクシングのプロテストに合格。
Twitter、YouTube、TikTokでも医療情報の発信を行っている。

Twitterアカウント
@renatkhsh

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産婦人科医YouTuber高橋怜奈
https://www.youtube.com/channel/UCVR9XnYBIQ4OlGmFPUNGGVQ/featured

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